PsyTouSan’s LAB

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二十歳になって間もない人間が薦める日本酒

この記事は群馬高専Advent Calendar 21日目の記事です。

こんにちは。
二十歳になってあまり時間が経っていませんが、日本酒をよく飲むようになりました。なので、今回はその日本酒について書こうと思います。また、日本酒についてよく知らない人や、普段日本酒を日常酒として飲んでいない人でも楽しめるような記事にしていきたいと思います。

日本酒の楽しみ方

日本酒は小難しい印象を抱かれてしまいがちですが、正しい知識を備えて楽しく飲むことができれば魅力的なお酒だと思います。なので、個人的に楽しいと思う飲み方を紹介したいと思います。

温度の変化を楽しむ

日本酒は、温度が高くてもおいしく飲める酒です。といいますね。ただ、燗で飲むことが推奨される日本酒であれば、燗で楽しむことができます。ただ、一般的には冷やして飲むほうが多いと思われます。というのも、やっぱり冷やして飲んだ方が飲みやすく、爽快感もありますから、忙しい現代社においては、ふくよかでゆっくりと味わえるよりも、爽快でキレの良いを好む人が多いです。そして、なにより冷の方が面倒じゃなくていいですね。燗は湯煎するなり、レンジで温めたりと、ひと手間かかります。冷であれば、冷蔵庫に放置しておけば直ぐに飲めるというメリットもありますね。私も、日本酒は冷で飲むことがありますが、燗にするときと比べると、準備する手間が少ないので楽でいいですね。

燗にすると、香りが立つ

温度が高いと、揮発しやすいのでそれだけ鼻に抜ける香りが強くなります(故に、燗酒は飲みにくいと言われるのかも)。さらに、冷の状態では見えてこなかった味わいが顔を出し始めるので、「ふくよかになる」とも表現されます。また、日本酒に含まれるアミノ酸も強く引き出されます。なので、もともと香りの強い吟醸酒吟醸大吟醸純米吟醸大吟醸あたり)は、燗には向かないお酒とされています。ただ、中にはこれら吟醸酒でも、燗で飲むことをコンセプトに醸造されたお酒もありますね。たとえば、朝日酒造の久保田の碧寿なんかは、それに相当します。ただ私は飲んだことないので、いずれ試してみたいですね。ただ、ほかのお酒と比べると少々値が張るのがネックですね。
www.asahi-shuzo.co.jp

面倒が故に、楽しめる

日本酒を燗にする場合、レンジで温めたり、徳利に入れて湯煎するなどの方法がありますが、温度計でしっかりと温度を管理して酒を温めるのは面倒に感じる人が多いかと思います。しかし、その面倒な思いをした後に、肴をつまんで飲む燗酒は普段飲むお酒とは格別な美味しさがあります。まず、燗酒は冷酒と比べると飲みにくいというのは前述したとおりですが、逆を返せば落ち着いて飲むことができるということになります。なので、料理を味わいつつ、口直しに燗酒を口に含めば、たちまち日本酒特有の香り、旨味や甘味が広がりますから、これが楽しいですね。しかも、温めた物体はいずれ冷めます。なので、45度程度に温めたお酒も飲んでいるうちに40度、35度と低下していきますから、複数の温度域で酒を楽しむことができるのも、燗酒ならではだと思います。

大体の温度

燗と一言にいっても温度にはいくつか種類があります。日向燗(30度)、人肌燗(35度)、ぬる燗(40度)、上燗(45度)、熱燗(50度)、飛び切り燗(55度)といった感じです。ただ、一般的にはぬる燗から上燗あたりで頂くパターンが多いような気がします。先ほど紹介した久保田の碧寿も、ぬる燗で飲むことを推奨しているようです。

料理を用意する

日本酒は料理と一緒に頂くことで、一層おいしく感じられると思います。日本酒そのものがアルコール度数が高いお酒なので、そこへタンパク質が豊富な魚類(刺身、缶詰や焼き魚など)とか豆腐と一緒に頂けば、お酒と料理を美味しく感じるだけでなく、口直しとしても役目を果たしてくれるでしょう。

個人的におすすめの日本酒

ここからは、個人的におすすめしたい日本酒を紹介します。

八海山

日本酒の中では、かなり有名な銘柄です。やはり、有名というだけあって、非常に美味です。
冷の状態で飲んだ時と、燗の状態で飲んだ時では、まるで別人に出会ったかのような味わいを見せてくれます。

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八海山 普通酒

八海山には、いくつか種類がありますが写真のやつは、吟醸とか純米などの分類から外れている普通酒です。

味の特徴

冷で飲んだ時は、さっぱりしていてわずかに甘味を秘めているような味わいですが、これが燗にした瞬間全くの別物に仕上がります。一気に甘味が増して華やかになります。とりあえず飲んでほしい日本酒の一つです。

上善如水のひやおろし

これは、「ひやおろし」と呼ばれるタイプの日本酒で、春に製造し、夏を涼しい蔵で過ごして熟成させ、気温が下がってきた秋ごろに出荷されるものです。ひやおろし、というのは「冷(常温)」の状態で小売店等に卸されることから、そう呼ばれています。なので、秋限定にはなってしまいますが、紹介しておきます。

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上善如水のひやおろし

ボトルも秋らしいデザインで、銘柄のフォントもモダンでおしゃれですね。手前に芋ようかんを配置した私のセンスも素晴らしい!

味の特徴

夏を蔵で過ごし、熟成された日本酒は、落ち着いた雰囲気があり、主張が激しくないです。それだけでなくわずかな甘味を秘めています。この甘味を顕著に味わいたいのであれば、ぜひ燗で頂くことをお勧めしたいです。最初に、冷やして飲んで、ある程度楽しんだら、上燗(45度)くらいに温めて少しずつ飲んでみてください。45度というのは、熱燗(50度)より低いとはいえ、燗酒の中では高めの温度です。しかし、放置していれば温度が下がっていきますので、その温度の変化を楽しむことができ、個人的に好きな飲み方です。すると、これまで静かであった甘味が、一気に主張してきます。常温や、ロックでは味わえないほどの甘味が体験できるので、ぜひ試してみてください。

菊正宗酒造 樽酒

樽酒というのは、完成した日本酒を杉材で造られた樽の中に数日間入れておき杉の香りを日本酒に移したものです。菊正宗酒造は、この樽酒のシェアはトップで、とくに有名なのが以下の写真に示したやつです。

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樽酒と鰯蒲焼

これは、鰯の蒲焼の缶詰を温めたやつです。

味の特徴

非常にキレが良いですね。口に入れて飲み込んですぐに余韻が消えていきます。そして、樽酒なので木の香りがします。本当に酒から木の香りなんかするのかと疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、本当に木の匂いですね。ホームセンターの資材売り場に売っているような木材の香りと同じような香りです。その香りも相まって、口直しだけでなく、鼻直し(?)もできる上にキレが非常に良いすっきりしたお酒なので、味の濃い料理とも合うかもしれません。実際、蒲焼の濃いたれの味に一切負けることはなく、最高のキレと杉を連想させる木香を広げてくれるでしょう。また、その香りのせいなのか、アルコールの香りを強く感じにくいのも特徴の一つです。

おすすめの地酒

ここまでは、ある程度有名な日本酒の紹介でしたが、ここからは私が住んでいる群馬の地酒を紹介します。少しマイナーになってしまいますが、参考程度までに。

谷川岳 とび辛(+15)

この+15というのは、日本酒度のことです。日本酒度というのは、4度の水と日本酒の比重によって決まる指標であり、甘味の要因である糖分が多い場合は比重が重くなり、すくなければ軽くなります。そして、比重が4度の水と同じ場合は日本酒度は"0"となります。そして、比重が重いときはマイナスに、軽いときはプラスになります。すなわち、日本酒度+15というのは、糖分が少ない辛口の日本酒ということになりますが、この+15というのは非常に高い数値になります。わざわざ+15という値をでかでかとラベルに書く程のことはありますね。つまり、その辛口がウリの商品ということです。

味の特徴

そして、実際に飲んだ感覚としては、思った通りの辛口です。また、ロックと燗の二種類で飲んでみましたが、ロックで飲んだ時の印象としては、めちゃくちゃさっぱりしていてもはや水を飲んでいるかのような感覚でした。キレが良すぎるというか、そんな感じです。味の濃い料理とも相性はいいと思います。燗にしても他の酒のように豊かさが顕著に表れるということはなく、頑なにキレの良さを保っています。しかし、キレが良いとはいっても旨味要素が強くロックで飲んだ時よりも、少し余韻が残ります。

水芭蕉

使用している酒米は、広島県産の山田錦だそうです。ただ、値段が少し高いですね。一般的なお値段だと、720mlボトルで1400円~2000円程度してしまうので、簡単には手は出せないと思います。ただ、贈り物として送ったり、休日の前日に飲んだりするのには最高だと思います。今回飲んだ奴は水芭蕉吟醸酒です。純米吟醸純米大吟醸の方は高くて手が出せませんでした。

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水芭蕉と味噌サバ缶の肴
味の特徴

めちゃくちゃ美味しかったです。最初飲んだ時の感覚としては穏やかであり、余韻も少し残ります。そして、果実感の強い甘みがあります。香りのほうはというと、私が飲んだ時は冷やして(10度くらい)で頂きましたが、他の冷酒と比較しても強めに香りを感じることができます。総じて飲みやすく、アルコール度数が15%ではありますが、日本酒を始めて飲む方でもおすすめできるお酒です。

妙義山

妙義山とは、群馬を代表する山の一つで荒々しい岩肌を露出した山です。以下に示したのが特別本醸造妙義山です。この時は、おつまみとして鰆の刺身を頂きました。

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妙義山と鰆の刺身
味の特徴

水芭蕉と比較すると、少し癖が強いかもしれません。初めて飲んだ時の印象として感じたのは、荒々しい見た目をした妙義山を模したような力強い味わいといった感じです。甘味はほとんど感じることはなく、対して旨味を強く感じることができます。冷で飲んだ際には、多少の旨味とキレ感じることができますが、燗にするとより一層その旨味が強化されます。注目すべきは、甘くないという事ですね。水芭蕉や越後桜のように、甘みはないので刺身相手でも、その味を壊すことなく引き立てるような気がしました。

まとめ

ここで紹介したお酒はどれもおいしいので、ぜひ試してほしいです。特に、初めて日本酒を飲む方であれば、八海山や水芭蕉なんかは飲みやすくていいと思います。また、八海山の普通酒をいただく場合は、冷だけでなく燗で頂くと温度の差を顕著に体験できるので、これまたおすすめです。本当は、越乃寒梅、獺祭、久保田千寿や貴醸酒なども紹介したかったですが、越乃寒梅と獺祭はまだ飲んでいませんし、久保田千寿も非常に有名でオーソドックスすぎます。さらに、貴醸酒に至っては日本酒の中でも高級な部類に入るので今回は紹介していません。ちなみに貴醸酒とは、仕込みの最後の段階で水の代わりに日本酒を用いて醸造された日本酒のことで、濃厚な甘みととろみが特徴なのだとか。もし、飲む機会があった場合はその時に記事にしようと思います。
というわけで以上です。